【1】フルコース!C工務店ツアー 杉焼板とは?
工場(事務所)、建築中現場案内(2件)、入居済みのお客様宅案内、モデルハウス兼社長自邸の超盛沢山コースでした(^^;)
かかった時間は4時間弱。これぞ大道! といった営業マンの案内でした。
これらか住まいづくりを考える人は現場と入居済みのお客様宅の家を見学できるかどうか確認することをお勧めします。自信のある営業マンは案内したがると思います!
古民家の外壁には杉焼板という素材が使われていることが多いです。天然素材だけに耐久性やメンテナンス性など不安に思うところがあります。今回の見学で不安解消のヒントがあったのでご紹介します。
▼杉板の表面を焼いたもの。芯までは黒炭化していません。
▼倉敷市美観地区に杉焼板が使われています。黒い板。 右手の建物の色が薄い板は杉焼板ではありませんが、味わい深い美しい建物です。
【2】外壁に天然素材?! 杉焼ってどうなの?? 信頼性・耐久性・メンテナンス性
・素材の信頼性
⇒古くから使われてきた素材。伝統的な素材なので、信頼できそう。
・耐久性
⇒杉板を焼いて撥水性や腐食性を低減している。
木造と鉄骨で火事があった場合、鉄骨は一定以上の時間燃焼するとぐにゃっと曲がるのに対して、木材は表面が黒炭化し、芯までは燃え切らず、骨組みは残ります。(なので、木造は強いです。という営業トークを木造メーカーはよく話しています。)
これから考えると、一度表面を焼いた木というのはそこそこ強いのでしょう。
・メンテナンス性
⇒おそらく30年はメンテナンスフリーと感じました。
▼杉板。祖父母宅 おそらく25~30年以上ノーメンテ(北西側外壁)
かなり綺麗です。わたしが子供時代の記憶からすると何もメンテナンスしていないと思われます。
今回、見学した事務所とモデルハウスに杉焼板が使われていました。どちらもノーメンテとのこと。事務所は多少、炭ははがれているのが確認できます。軒の出があまりないため、雨風で削れるとのこと。
モデルハウスは社長の自邸で築18年。こちらはかなり綺麗でした。劣化をほとんど感じない。軒の出50㎝以上ある場所は何の問題も感じませんでした。
古くから使われている素材、伝統的な素材なので、おそらく悪い素材ではない。その不安を少し解消することができました。
・外壁を綺麗に保つ設計の工夫
⇒杉焼板だけでなく、工場外壁(サイディング等)にも同じことが言えますが、劣化の原因は水分と紫外線です。それらをできるだけ避けるように工夫することがコツです。
一般的な住宅の軒は50㎝ぐらいです。特に南面を軒の出1mにするのは有効です。それ以上になると、室内の明るさが変化するので好みの問題も出てきます。
※祖父母宅の北西側外壁の写真が軒の出が50㎝ぐらいです。
焼杉板を使う場合は建物の日当たり、湿気、軒の出などを工夫すれば、約30年間はメンテナンスフリーで使えそうだと感じました。ただ、経年劣化が激しい場所、特に日当たりが良い部分、軒の出は少ない雨がよく当たる部分に関しては、30年以内にメンテナンスを覚悟しておかないといけないと思いました。
経年劣化について、工業製品のようなみすぼらしい風貌にはなりにくいと考えられますが、天然素材の劣化を風合いと捉えられそうです。わたしはですが……。
▼炭が一部剥がれてきています。また、家の足元は湿気などで傷みやすいので、メンテナンスサイクルが早い場所だと思います。
【3】杉焼って西日本の建築素材だったの??
ちなみに、杉焼って岡山の昔ながらの家にはたくさん使われています。
なので、馴染み深いものですが、日本全体で見るとそうでもない? ということがわかりました。(わたしのネット調べです。あくまで。)
瀬戸内海の島々、香川、岡山ではたくさん使われており、それが広まり京都などでも使われるようになったみたいです。
どうやら関東や東北の方にはないみたい。今度、旅行で関東や東北の田舎に行った際は見てみようと思います。
西日本では古くから使われているので、その耐久性の時の試験は突破済み。また、杉板を焼いただけの素材なので、シンプルでエコ。
今の時代、サスティナブルな素材と言えそうです。これからも注目されるといいな^^
とは言っても、まだ、外壁に杉板を使うと決めたわけではないので、他の素材も注目していきたいと思います。
こういったことを考えている時間が住まいづくりの楽しさでもあります♪
本日もお読みいただきありがとうございました!