4月末で研修として通わせてもらっていたパートは完全に終了しました。
その後、どうなったのか。自分の覚え書きとして記しておこうと思います。
めっちゃ長いですm(__)m スミマセン。
就農に向けて4月にやったこと。
《1》普及指導センターに相談へ。
《2》スケジュールを作成
《3》有識者会議
《1》普及指導センターへ相談
普及指導センターは県の農業推進を図っている行政機関です。ここが県の農産物を産地化したり、ブランド化したり、補助金の制度を管理したり、新規参入者を募ったり、様々な政策をしています。
4月17日
スイートピーの作業が落ち着いたころに担当者さんと打合せをするために県民局に行きました。
この日は夫婦で行きました。相談時間は2時間程です。
相談内容は有識者会議に向けて、状況整理やスケジュールの作成方法を教えてもらいました。
《2》スケジュールの作成
有識者会議に向けて資料を作成します。
作った資料は就農してから10年間のスケジュールです。
スケジュールは作物の種まきから収穫、土地の拡大計画、設備購入やメンテナンスの時期などをスケジュールの中に落とし込んでいきます。
わたしの場合、スイートピーをメインの作物として考えていますが、スイートピー以外の作物を栽培してもOK。特に4~9月までの間はスイートピーのお世話事態はありません。その時期に別の作物を育てる場合はその作物の作業工程などを一緒にスケジュールに落とし込んでいきます。
スケジュールと同時に売り上げや設備費なども一緒に考えていく必要があります。
また、認定新規就農者になり補助金を活用するためには5年以内に農業所得200万円以上が条件となっています。
そのため所得が200万円を超える計画にする必要があります。
そもそも暮らしを一般的な水準で生活しようと思うと所得200万円では生活では無理です。
《2-1》■資金計画ってどうやって作成するのか?
普及指導センターにあるデータ、経営指標を活用します。
そもそも親や親族が農業などをやっていない限り、新規で農業を始める人が農業収益などわかるはずがないです。
それを解決? と言いますか指標となるデータをまとめてくれているのが普及指導センター。
始めるのにどのくらい費用がかかるのか、ランニングコストにどのくらいの費用がかかるのか、売り上げはどのくらい見込めるのか。そういったことをまとめてくれているのが経営指標になります。
この指標は作物によっては無い場合があります。そして時期によって売り上げの単価が変動するのであくまで目安です。
最近は資材費や燃料費の高騰で指標に記載されている金額よりも1.2~1.5倍に上がっているとのこと。柔軟に考える必要があります。
スイートピーの経営指標はあります。が、やはり資材費などは多めに見積もる必要があります。
《2-2》■資金計画の考え方。
住まいづくりでもそうですが、資金計画はあくまで計画です。甘く見積もれば現実との間に差ができます。
気持ちとしては甘く見積もって安心したいですが、現実的でなければなんの意味もありません。
農産物のような自然を相手に素人が栽培したところでベテランと同じ収量が見込めるはずがない。
なので、1年目は経営指標の売り上げを50%ぐらいで見積もります。2年目は70%。このような感じで5年目には売り上げ100%。低めに見積もって徐々に上げていくように考えておきます。
《2-3》■設備の中古品の活用。
農業をしている多くの人が中古品の設備を利用しています。そうしないと設備費が大きくなりすぎて、手元に残る費用がほとんどないからです。
しかし、中古品を検討できるのは土地の場所や大きさが決まっているからです。
今回、わたしの場合、土地が決まっていない。その状態だと中古品を利用したいと考えていてもタイミングよく中古品があるかどうか、そして土地の大きさに合うかどうか、検討できないため、資金計画ではひとまず全て新規購入という形で検討することになります。
《2-4》スケジュールを作成してみて……
スケジュールを作成すると、資金計画も一緒に考えることになります。
正直、設備を新規で購入となると全く手元にお金が残らない計画になりました。
もし夫婦で農業をするという形にすれば、5年間は食べていけず赤字です。
もし、めっちゃめちゃ一生懸命働いて1年目から売り上げをベテラン並にできたとしても、赤字です。
こんな感じの計画で新規就農をする人はどうやって食べていくのだろうと感じました。
《3》有識者会議
4月28日にJAさんの会議室をお借りして、普及指導センターの人、JAさん、師匠と集まって、作成したスケジュールについて意見を貰いました。
思っていた通りの結果。
「これでは生活できないよね。」
そんな反応です。
ただ、経営指標と今の資材高騰を考えると、この計画しかならないのです。
スイートピーは農産物としては経営が成り立つ作物と言われていますが、今回の件で普及指導センターも成り立たない作物になってしまったという見解です。
設備を新規で揃えるとなると計画事態が成り立たない。
なので、中古で設備を揃える。作付け面積を多くするなどの対策が考えられます。
ですが、今の状況ではどちらも難しい状態です。
中古の設備は上記にも書きましたが、土地が決まっていないと検討が非常にしにくい。
作付け面積を大きくしたい場合はその大きさを管理できるだけの技量が無ければ農業委員会の許可が下りないのです。しかも、土地を探しているエリアはどの農家さんも小規模の作付けです。新規参入者がいきなり大きな土地を借りたいと言ってすぐに貸してもらうのは地域柄現実的ではない状態。もし大きな土地で始めるとなれば地域の信頼が必要になります。
地域に根付き、ネットワークを気付いていく中で土地を貸してもらいます。土地を借りる場合は小さかろうと、大きかろうと信頼は必要ですが、やはり時間がかかります。
そんな感じで「無理だよね。」といった雰囲気の中、会議は終わったのでした。
つづく。